石松と都鳥一家(清水次朗長伝)

石松と都鳥一家

都鳥の家へ連れられた石松。
都鳥三兄弟とその子分の四天王と一緒に飲みながら昔話をする。

あくる日、朝早くから出かけた三兄弟、夕暮れ時に帰ってきて、火鉢の前で三人で思案に暮れている。
明日、浜松伝馬町の国龍屋亀吉の花会があり、百五十両が必要。
五十両はできたが百両ができない。
困っていると、酔って寝ていた石松のいびきが聞こえてくる。
そうだ、石松に借りよう。

石松を起こして三兄弟が頼み込んだ。
しかし石松の百両は次朗長親分への見受山からの香典。
貸すわけにはいかない。
助けてくれと手をついて頼む都鳥三兄弟。
これでもやくざの端くれかと呆れながら、仕方なく百両貸す。
証文はいらねえよ。返さねえならお前らの首をもらうから。
いやいや、十四日の夜の四つに返すよ。

さて、十四日の夜の四つが過ぎ、十六日の昼。
業を煮やした石松が、三兄弟と四天王を前に並べて催促する。
都鳥の親分吉兵衛が責められるのを見て、四天王が、
先代都鳥源八という人は偉かったが、後に残った倅の三兄弟。こんな奴らに付いているのは嫌だが、先代に恩があるから我慢をしている。百両は四人で返しますから、十八日まで待ってください。

よし、それじゃあ待とう。

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