代官斬り(清水次朗長伝)

代官斬り

「御本城御用!」

尾張生まれの大政が声をかけると、代官所の門番が小さなひきょう窓を開けて表を見る。
丸に八の次の提灯を見ると、安心して門を開ける。
ご苦労様と出てくる門番の下腹を、大瀬半五郎が拳固で殴る。
それを見て騒ぐもう一人の門番と、物音に気付いて出てくる若侍を斬った。

裏手へ廻ると牢。
牢番の爺さん二人をおどして鶴吉を助けた。
一緒に代官屋敷へ。

御本城御用で門が開く。
鶴吉が門番を斬り、一行屋敷内へ。
下役どもを斬り進む。

奥へ進むと代官が一刀をつかんで、博徒の分際で代官屋敷へ無礼であろう。
お前さんが几帳面な代官様なら夜中に草鞋で暴れ込んじゃあまいりません。深見村長兵ヱの敵、命はもらっていくぞ。
次朗長がザックリと代官を斬った。

久六を探して唐紙を開けると、赤ん坊を抱いた三十前後の女が飛び出してきて、斬られた代官を見て涙をこぼす。
奥方、あなたは悪い兄貴を持ち悪い亭主を持ちました。お前さん方には指一本差しませんから、ゆっくりと支度をしてどっかへ行ってください。

裏手の方から石松の声、久六が逃げた。
追いかける石松の後、かなり離れて一行が追う。
久六、振り向くと石松一人なんで、この野郎やっちまおうと斬り結ぶ。

飛んできた大政が、もう間に合わねえと、手ごろな石をつかんで久六めがけて投げた。
腕ができるから久六の額に当たる。
よろけるところを石松が肩口を斬る。
命乞いをする久六の首を次朗長が落とした。

石松金毘羅代参

広沢虎造と日本の音曲・語り芸

音曲・語り芸

清水次朗長伝あらすじ