勝五郎の義心
次朗長一行が歩き出そうとすると、お蝶が痔病の癪に苦しむ。
石松と次朗長が駆け寄ると、それを見た勝五郎。
そんなに悪いとは思わなかった。それでは一歩も歩けねえ。あっしの家はすぐそこだ。乞食に劣った汚い家だが、雨露しのぐと思って寄ってください。
案内されると本当に汚い家。
米を都合してきた勝五郎、ご飯を炊き、お粥を作る。
腹を空かせた三人は、旨い々々と涙をこぼしていただいた。
それから勝五郎がよく働く。
朝早く出かけて夜遅く帰ってくると、いくらか小遣いを持ってきて次朗長に渡す。
お蝶の具合を診た医者のところへ寄ってきたという勝五郎に様子を訊くと、かなり悪いと言っていたと、勝五郎は涙。